MIRSMG4 管理台帳へ戻る

名称 RaspberryPi のセットアップとデバイス接続
番号 MIRSMG4D-SYST-0004
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2017.04.18 牛丸真司 牛丸真司 初版
A02 2020.07.31 牛丸真司 牛丸真司
A03 2021.05.25 牛丸真司 牛丸真司 管理台帳フォーマットへの変更、実装写真の更新

RaspberryPi のセットアップとデバイス接続

1. Raspbian のインストール

Raspberry Pi のインストールとセットアップにしたがって、MicroSD に Raspi の OSである Raspbian をインストールする。

2. RaspberryPiとデバイス接続

MG4で使用する Raspberry Pi は 2021年度から Ver 4 ( Raspberry Pi 4 ) 4GB に変更になった。 Ver3 以降のモデルでは CPU が 64bit対応となり処理能力が増強され、 Wi-Fi、Bluetooth 機能が内臓された。 (参考:Raspberry Pi (Wikipedia)

システム構成図で示されているように、MG4では Raspi に、I2C通信で制御可能な超音波センサを接続する。また、GPIOピンにタッチセンサ等の ON/OFF 信号デバイスを取り付け、そのデバイスの状態を監視する。

Raspberry Pi には 40 ピンの IO ピンがあるが、このうち 26本が GPIO ピンであり、デジタル入出力に利用可能である。 またこのうちGPIO2、GPIO3が I2C シリアル通信のポートとして利用できる。

なお、Raspberry Pi 3 から Pi 4 に移行した際に、内蔵抵抗でプルアップできる GPIO が 2~8と15(番号はGPIO番号)に限定されたので、注意する必要がある。(Raspberry Pi 4 の GPIO のプルアップについて"参照)


Raspberry Pi のピン配置

(参考)Raspberry Pi 公式ドキュメント

3. 超音波センサの接続

GPIO2(ピン番号3)、GPIO3(ピン番号5)がそれぞれI2C通信のSDA, SDC信号ピンとなる。 Raspberry Pi の I2C通信は 3.3V で動作するが、MG4で使用する超音波センサ Devantech SRF02 は5V動作であるため、3.3V-5V の I2C レベル変換器を介して、双方向の電圧変換を行う必要ある。 レベル変換器にはDevantech I2C-LVL01を用いる(Technical Documentation)。

このレベル変換器を介して、RaspberryPi のピンと超音波センサを次のように接続する。 超音波センサは I2C のバス接続なので、設定可能なアドレスの範囲で何台でも接続できる。


RaspberryPi GPIOピンと超音波センサの接続回路図


RaspberryPi GPIOピンと超音波センサの接続イメージ図

4. タッチセンサの接続

タッチセンサ等の ON/OFF IOデバイスの接続するGPIO ピンに対して、インプットモード指定およびプルアップ設定を行う。 この設定を行うことにより、タッチセンサの一方を Raspi IO のグランド側、もう一方をプルアップ設定したピンに接続する だけでよい。
下に示す実装写真では、GPIO の 15, 7 ピンとそれぞれの隣のGNDピンとのペアで、MOLEX 2ピンコネクタをマウントしている。
標準プログラムの IOテストプログラムでは GPIO 18番ピンを foward、GPIO 25番ピンを left、GPIO 26番ピンを right としているが、標準機で使用するのは前方バンパ接触を検知するタッチセンサ1つなので、実際に取り付けたポートに変更する。

5. シールド基板への接続ポートの実装

Raspiとデバイスとの接続にはRaspberryPi用シールド基板UB-RPI02を用いる。 超音波センサ接続に必要なI2Cレベル変換器もこのシールド基板上に実装する。

  1. 準備

    シールド基板に付属の20ピンx2列のピンソケットをシールド基板に半田付けする。 このときシールド基板の SideA が上になるよに SideB側にソケットセットし、SideA側で 半田付けする。



    ピンソケットのハンダ付け

  2. 実装

    信号線、ハウジング、ICソケット(8ピン、I2Cレベル変換チップ取付用)を基板実装(表面)、(裏面)のように取り回してハンダ付け実装する。



    シールド基板実装(表面)



    シールド基板実装(裏面)

    表面の写真の上側にある2個のの2ピンのハウジング(オス)が ON/OFF IOデバイス(タッチセンサを想定)の接続ポートである。 写真下側の4個の4ピンハウジング(オス)が超音波センサの接続ポートである。ハウジングの黒丸はグラインドピン、 赤丸はVccのピンであることを示している。
    タッチセンサ取付用のポートは、プルアップ可能なポートのGNDが隣り合う 15-GND, 7-GND を使って実装している。ただし、標準機で実際に使用するポートはこのうちのどちらか1つ。

    裏面の写真からわかるように、超音波センサ用の4ピンの4つの接続ポートはバス接続されている。 8ピンICソケットは、3.超音波センサの接続の RaspbeeryPi GPIOプンと超音波センサの接続回路図およびその下の接続イメージ図にあるように接続されている。(ただし、超音波センサ側のGNDとGPIOのGND接続はチップのGNDが導通しているので省略している。)
    I2Cレベル変換チップの取付時には、この配線がどのようになっているかを確認する。この写真の配線では、表面の左側から Vcc, SDA, SCL, Gnd となっている。
    なお、標準機で使用する超音波センサは2個であるが4個まで接続できるようにしている。

  3. 導通チェック

    テスターを用いて、ハンダ付けを行った全ての回路系に対して、導通・非導通のチェックを行う。

  4. シールド基板のRaspberryPiへのマウント
  5. シールド基板をRaspiにマウントする際は、下の写真のようにピンソケットのない2ヶ所の通しネジの間に10mmのスペーサを入れる。これを入れないと RasPi の HDMI端子の金属部と シールド基板面が接触してショートする可能性がある。

    なお、Raspberry Pi のボード固定用の穴は 3mm ネジは入らないので、2.6mm径のネジを使って固定する。



    シールド基板のマウント

6. 超音波センサと接続ケーブル

  1. 下の写真のように、超音波センサに5ピンの Molex ハウジング(写真左側)またはピンヘッダ(写真右側)をハンダ付けする。



  2. 超音波センサを下の写真のように Raspi のシールド基板に接続する。 この写真のよにMoldex ハウジングを使ったケーブルを用いる場合は、4本の信号線を使いシールド基板側を 4ピンのハウジングに、超音波センサ側をグランド線(写真では左端)を飛ばした5ピンのハウジングに接続する。